鋳物は、一般的に鋳型という型に熱してドロドロに溶けた金属を流し込んで作られます。
鋳物は非常に繊細なもので、金属を流し込んだ時の天候や温度、作業者の熟練度などによってその出来が大きく左右されます。
それだけでなく型から取り出された金属の表面は凸凹で、抜きテーパーと言って鋳物を型からはずしやすくするために微妙な角度がついていたり、鋳物を注ぎ込むための穴の部分は少し盛り上がります。
これらの特性を無視して加工をすると、直角や平行がうまく出なかったり、きちんとクランプできずに加工に失敗してしまったりします。
こういった品物を、高さ厚さをそろえ、微妙な傾きを修整し、最終的に製品として許容される0.1ミリ、0.01ミリといった寸法精度に安定して仕上げるためには創意工夫と熟練の技術が必要になるのです。